「幼児・こども」のパニック障害(不安神経症)症状!原因と対処法
2017/02/05
自分のこどもが、いつからか突然暴れ出したり、大声を上げたり、パニックを起こすことが増えた。
最初は、「こどもだから」と思い、それほど気にはなりませんが、しだいに頻度が多くなり重症化していくと心配になっていきます。大人とこどもではパニック障害(不安神経症)の症状や対処法もにも違いがあります。
ここでは、幼児とこどものパニック障害についての特徴や対処法を紹介したいと思います。
幼児やこどものパニック障害の特徴
パニック障害(不安神経症)は、20代~30代の人にもっとも多い障害です。しかし、こどもはかからないというわけではありません。小さなこどもも大人同様にパニック発作による症状があります。
大人でも死ぬほど苦しいパニック発作なのですから、幼児やこどもも同じように苦しみに耐えています。こどもの場合は自分で体の不調を伝えることが難しいため、そばにいる親や大人がいち早く気付いてあげることが大切です。
ここでは、幼児やこどもにおけるパニック障害の症状と特徴を紹介したいと思います。まずは、正しくパニック障害を理解することが大切です。
こどものパニック障害の症状
- 大声で騒いだり泣き叫んだりする
- 暴れたり、他人に暴力を振るったりする
- 走ってその場から逃げ出そうとする
- 自分をつねったり、自傷行為をする
幼児とこどものパニック障害の症状と特徴は、「暴れたり」、「大声を上げたり」、「泣き叫んだり」といった行動をとることです。基本的には興奮状態である場合が多いですが、まれに、動きが止まってしまうパニック発作もあります。
大人と同じように「めまい」や「吐き気」などの症状が出る場合もありますが、さきほども言ったように、例えそのような症状が出ていても本人が親に症状を伝えることが難しいので、それを見極めることは困難です。
めまいであらば、ふらつき、吐き気であれば、嗚咽などで判断するほかありません。小さな変化も見逃さないようにしなければなりません。
どちらにしても「いつもと様子が違う」という所に、日頃から注目するようにしましょう。
こどものパニック発作のはどれくらいで収まるの?
パニック発作は、一時的な症状です。ほとんどの場合、長くても20分以内には収まりますので、決して慌てる必要はありません。落ち着いて対応しましょう。
親が慌てると不安がこどもへ伝わってしまい、症状を悪化させる場合がありますので注意しましょう。落ち着いて冷静に対応しましょう。発作で命を落とすことはありませんので安心して下さい。
ただし、発作によって暴れ物に頭をぶつけたりして怪我をする可能性は十分に考えらますので、パニック発作による二次災害には十分注意が必要です。
こどものパニック障害は、ほかの病気との判別が難しい
こどもや幼児のパニック障害はほかの病気との判別が非常に難しいと言われています。それは、体も心もまだ未成熟な為、「ちょっとやんちゃ」なのか、「発達障害」なのか、「パニック障害」なのかという識別が難しいためです。
その為、長い目で症状の経過を見守る必要があります。また、パニック障害の場合は、一定条件の場合に起こりやすいという特徴があります。毎回、この場所やこの時間にパニックが起こるというケースであればパニック障害の可能性が高まるでしょう。
ただし、注射など、痛みを伴うような場合のパニックは、単に「痛いのが嫌だ」とう拒否反応の場合が多いのであまり参考にはなりません。
また、家では暴れるのに、外では一切ないという極端なケースであれば、ただの「甘え」の可能性があります。このようなパニックは病気ではない可能性が高いでしょう。
逆に、「発達障害」は、場所を選ばず、スイッチが入ればいつでもパニック発作が起こる可能性があります。
このように、複合的な要素が絡み合っているので、正確な判断は難しいです。専門医の先生と相談しながら症状と状況を慎重に見極める必要があります。
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こんなときに発作は起こりやすい
「パニック障害」と「発達障害」と「やんちゃ」のパニック発作の見極めは難しいです。しかし、それぞれに発作が起こりやすい特徴はありますので、そちらをまとめたものを紹介します。
「パニック障害」の幼児やこどもが発作を起こりやすいとき
- これといったきっかけもなく突然発作が起こる
- 特定の場所や時間に発作が起こりやすい
パニック発作は比較的に、いきなり発作や、決まった条件で起こりやすい特徴があります。ただし、こどもの場合はこれ以外の条件でも発作が起こる可能性はあります。
「発達障害」の幼児やこどもが発作を起こりやすいとき
- 1日の予定を急に変更されたとき
- 自分の思い通りにならいとき
- 体調が優れないとき
- 人ごみや行慣れない場所へ行ったとき
発達障害のこどもが発作を起こすときは、比較的に決まったパターンの場合は多いです。特に自分の思い通りにならない時や嫌なことが起こると感情を我慢できずに、爆発してしまう傾向がみられます。
「やんちゃ」な幼児やこどもがパニックになるとき
- 思い通りにならいとき
- 注射など痛みを生じることにたいしての拒否
- 特定の条件でパニックになる
病気ではない、やんちゃなこどもがパニックなる時は、原因がはっきりしている場合がほとんどです。お気に入りのおもちゃを取られた。注射を打つ前。抱っこしてほしい。など比較わかりやすい原因です。
幼児とこどものパニック障害の対処法
幼児とこどもによるパニック障害の発作が起こった時の対処法を紹介します。
パニックを起こしやすい場所を避ける、引き金になるような刺激を取り除く
パニック発作には症状が起こりやすい場所や時間があります。もし、そのような傾向や特徴が見受けられる場合は、その場所を避けることで精神を安定させることができます。本人へなるべくストレスを与えないように心がけることが大切です。
パニックを起こすことで要求がかなうと、症状がさらにエスカレートする
例えば、「ジュースが飲みたい!!」と要求し、それが叶わず暴れて強引にジュースを飲むことが出来た。このようなことが起こると本人はこう思います。
「暴れればジュースが飲める」
このような思考が定着すると、毎回のように暴れるようになります。結果、発作の回数が増えて、症状も重症化していきます。可哀そうと感じるかもしれませんが、本人の要求に従ないことも大切です。
メリハリをつけることが効果的です。時間や場所を決めて物事を進めると良いでしょう。
パニックがおさまった時には、『よかったね』『我慢できたね』と褒める、決して叱らない
特に、問題行動を起こしてしまうこどもに対して親は叱ってしまう傾向が強いです。気持ちはわかりますが、叱るという行為は逆効果です。それよりも「褒めてあげる」ことが大切です。
誰だって、叱られるよりも褒められる方が嬉しいですよね?そして、褒められたら、次も頑張ろう!って思いますますよね?そういうことです(^-^
こどもは、常に親に褒められたいという感情を無意識に抱いています。そうすると、発作を我慢することが苦痛ではなく「喜び」へと変わっていきます。自然に発作を克服することができるようになります。
イライラを我慢して、褒めるというのは意外と大変ですが、親も辛抱と根気が必要です。
怪我の恐れがある危険な場合は静かな部屋で落ち着くのをひたすらに待つ
自傷や他害など、危険が伴うような発作の場合は、静かな部屋で本人が落ち着くまでひたすら待ちます。安全が確保できないような状態であれば、落ち着くまで手足を抑える必要もあるかもしれません。
怪我がないように安全を最優先することが大切です。また、興奮している最中は声をかけたり、視線を合わせることはしないようにしましょう。
激しく興奮している時に声をかけたり目を合わせたりすると、不安を感じたり、余計に混乱してしまいます。とにかくジッと、落ち着くまで待つことが大切です。
危険でない場合は無視をする、決して叱らない、視線も合わせない
危険ではない軽い発作であれば、あえて無視する方法も効果的です。過剰にかまってしまうと、かえって発作が治まりにくくなったり回数が増えたりします。
最初は、様子を見て、発作が大きくなった時に初めて手を差し伸べるスタンスでも良いと思います。ほどよい距離感を保つことも効果的なケアの1つと言えるでしょう。
「叱らないけど、譲りもしない」とい姿勢が理想
パニック障害(不安神経症)の幼児やこどもへの接し方は、「叱らないけど、譲りもしない」とい姿勢が理想です。口でいうのは簡単ですが、それを実行するのは、結構大変です(^-^;
しかし、根気よく続けていくしかありません。パニック障害は、本人よりも周りの人の対応や行動が改善に作用します。親の対応はもちろんですが、学校や幼稚園など周り人の統一した対応も重要です。
学校や幼稚園に通われている場合は、本人の特徴や対応方法などを先生や保育士さんにしっかり伝えておくことも忘れないようにしましょう。
小・中学生のパニック障害の原因と対処法について
これまでは、幼児から小学校の低学年を対象に紹介しましたが、こちらでは、小・中学生のパニック障害について補足したいと思います。
小・中学生のパニック障害の原因
小・中学生になると、精神的な要因が大きな割合をしめていきます。パニック障害の原因は、過剰なストレスを受けたり、神経伝達物質の異常分泌と言われていますが、
近年増えてきているのが、勉強の遅れや、イジメによる精神的ストレスです。こういった不安がやがて大きな不安となり、広場恐怖へと繋がり、パニック発作を助長する引き金となります。広場恐怖とは、特定の場所で発作が起こりやすい状態です。
ここで言えば、学校や塾などがそれに当たります。また、逆に家庭の方がストレスの原因になっていることも少なくありません。
「家に帰りたくない」と思っているこどもが家に帰ることが不安やストレスとなり、パニック発作を起こす引き金になっているケースも多くなっています。
小・中学生のパニック障害の対処法
小・中学生のパニック障害の対処法は、「コミュニケーション」の一言に尽きます。日頃からこどもとのコミュニケーションを深めて、いつでも相談に乗りやすい状況を維持しておくことが大切です。
そして、こどもの変化にいち早く気付くことができる観察力を備えましょう。こどもは、学校であった嫌なことは進んで話すことはありまえん。
それは、恥ずかしいという思いと、心配をかけたいくないという思いが交差するからです。そういった思いがストレスの発散を妨害し、不安を大きくしていきます。不安が大きくなると発作症状も悪化していきます。
こういった不安が大きくなる前に、親がその異変に気付いてあげることが大切です。その変化に気付いてあげることは容易ではありませえん。
日頃からコミュニケーションを取っている深い関係性がないと小さな変化には気付いてあげることはできません。世の中にはそういった変化に気付いてあげることが出来ず、後悔する親もいます。
ぜひ、日頃から学校のこと、悩みのこと、楽しいこと、色々と聞いてあげてください。そういった積み重ねがパニック発作ならず色々な精神病の予防へと繋がります。
パニック障害の症状について知識を深めました。つづいては、パニック障害の治療法についてお伝えをしたいと思います。パニック障害の治療法は実に様々な方法があります。自分に合ったパニック障害の治療法を見つけて実践してみましょう。