パニック障害(不安神経症)の精神療法「マインドフルネス瞑想」
2017/01/20
ここではパニック障害の精神治療の1つである、マインドフルネス瞑想についてご紹介したいと思います。マインドフルネス瞑想は不安や緊張から心を解き放つと言われています。
マインドフルネス瞑想とは?
マインドフルネスとは、「気付くこと」を意味しています。今ある自分の現実を、そのまま受け止めながら瞑想します。不安障害やうつ病などに効果があるリラクゼーション法であり、家庭でも行うことができます。
マインドフルネス瞑想は、東洋の仏教の思想と西洋の心理学を統合し、開発された精神療法です。米国ではすでに20年以上前から研究・実践されています。
近年、日本でも注目されるようになってきました。マインドフルネス瞑想とは、「気づくこと」を意味しています。気付く対象は「今自分が生きているこの瞬間の現実」です。
その現実を「正しい・誤り」「すべき・すべきではない」「よい・悪い」といった評価を加えず、「あるがままに」感じとり、受け入れていくのがマインドフルネスの考え方です。
こういった考えをベースにして瞑想を行うマインドフルネス瞑想は、うつ病や不安障害(PTSD)に効果をあげる第三世代の認知行動療法として、米国では盛んにお壊れています。
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マインドフルネス瞑想のやり方
実践時間
静かな部屋で、毎日、朝晩10分ずつマインドフルネス瞑想行って頂くと効果的です。
マインドフルネス瞑想のポイント
ポイント1
体の力を抜いて、背筋を伸ばし、イスに腰かけるか、畳や床に座り、目を軽く閉じるか、うすく開きます。(半眼)
ポイント2
呼吸は腹式呼吸で、「ゆったりと」して、なるべくコントロールしないようにします。「呼吸のことは呼吸にまかせていく」という感覚です
そして、おなかや胸のあたりの動きに気持ちを向け、「ふくらむ、ふくらむ」「ちぢむ、ちぢむ」と、身体が動く感覚をそのまま感じるようになります。
ポイント3
瞑想中に起こることはすべて、あくび、くしゃみ、周囲のおとなども、そのまま受け入れ、いっさい評価しません。いろいろな考えが浮かび、「うまく瞑想できないな」と思うも評価です。
ポイント4
浮かんでくるイメージや考えを、無理に止めようとしたり、コントロールしようとせず、ありのまま受け入れます。
マインドフルネス瞑想を実践している時の考え方
- 心の中にわき上がる思いなどに対して「よい・悪いの判断(ラベリング)をしない」
- わき上がる思いから「逃げようとしない」
- 感じた感覚は「心を開いて受け止める」
- 不安な気持ちに対して「どうにかしようと考えない」
- 不安な気持ちでも「あるがままに受け止める」
- 自分の気持ちや慣習に「とらわれない固執しない」
瞑想で幸福感につつまれる
瞑想については、海外でも盛んに研究が行われています。米国のマサチューセッツ総合病院とドイツのギーセン大学の研究者たちは、マインドフルネス瞑想の被経験者たちの脳を分析し、「被害者の脳には、構造的な変化が見られ、幸福感を感じるなどポジティブな効果があらわれた」と報告。
この研究を行ったギーセン大学のブリッタ・ホルゼル博士は「瞑想によって、脳の構造を変え、幸福感をまし、人生を豊かにすることができるのは、なんと素晴らしいことだろう」と語っています。(精神医学研究より)
マインドフルネス瞑想の効果は認知行動療法に匹敵
マインドフルネス瞑想を行うと、自分の思考や感情をコントロールする力が育ちます。やり方を覚えれば自宅で毎日行えることも強みです。
その効果は、認知行動療法の効果にさえ匹敵することが、研究で明らかになっています。
マインドフルネス瞑想は家庭で毎日できるリラクゼーション法
自分の思考や感情に巻き込まれずに、それを外から客観的に観察していこうというマインドフルネス瞑想は、パニック障害の暴露療法と深い関連性があるとされています。
日本でもマインドフルネスの考え方を取り入れた認知療法を行う医療機関がふえてきて、成果が報告されています。また、マインドフルネス瞑想は家庭で毎日できるリラクゼーション法としても最適です。
「不安」「うつ」のほか、「あがりやすい」「緊張しやすい」など、さまざまな心の悩みに効果があります。瞑想すると前頭葉の血流が活発になりますし、長年瞑想をつづけることで大脳皮質の体積が増加し、加齢による変化が少ないことがわかっています。