パニック障害の症状!車の運転や乗り物で発作が起こる原因と対処/克服法
2017/02/05
パニック障害(不安神経症)の症状であるパニック発作がもっとも起こりやすい状況の中に、「乗り物」があります。
乗り物に乗ると発作が起こりやすく、車を運転したり電車や飛行機になることが怖いと思われている人も少なくありません。どうして、乗り物はパニック発作が起こりやすくなるのでしょうか。
また、パニック障害を患っている方の中には、車を運転すると、パニック発作になるという人がおられます。車を運転していると突如、理由もわからずに、不安が大きくなって、呼吸が苦しくなったり動悸やめまいなどの症状がでてきます。
これが原因で、車に乗れなくなってしまい、生活に支障がでている人も少なくありません。
ここでは、車の運転や乗り物でパニック発作が起こりやすい原因と、安心して乗り物に乗ることができる対処法を皆さんにお伝えしたいと思います。
車の運転や乗り物でパニック発作が起こりやすくなる原因
通常、パニック発作が起こる場合、いきなり発作が起こることはありません。たいてい、発作が起こった原因があります。それは、車や乗り物の場合も一緒です。
一度考えて見てください。何がきっかけで発作が起こり出したのか。
よくあるのは、運転中に疲れや貧血などのめまいに襲われて怖い思いをした、居眠りをしてぶつかりかけたなどの、恐怖体験です。
これらの恐怖体験が原因となり、その現場にいるだけで不安や恐怖を感じるようになっていきます。そして、めまいや動悸などの発作症状があらわれてきます。
また、
車の運転や乗り物で発作が起こりやすくなる原因は、「閉鎖的空間」が1番にあげられます。パニック障害の根本的な原因は「不安や恐怖」です。不安や恐怖が大きくなっていくと、パニック発作が起こりやすくなります。
そして、この不安を大きくさせる引き金になっているのが電車や飛行機などの「閉鎖的空間」です。どうして、閉鎖的空間で「不安」を感じやすいかというと、電車や飛行機などの閉鎖的空間では、何か起こってもすぐに抜け出すことが出来ない状況にあります。
たとえば、電車の中でパニック発作が起こっても走行中や混雑時だとすぐに外にへ逃げ出すことが出来ないのです。このすぐに抜け出すことが出来ないという状況が大きな不安を与えることになります。
その結果、想像したり考えたりしただけで大きな不安を感じて、パニック発作が起こりやすくなります。
このような特定の場所に対して恐怖や不安を感じることを「広場恐怖」と言います。広場恐怖といっても、広い場所に恐怖を感じるということではありません。
「逃げ出すことが出来ない空間」を意味します。昔、西洋やギリシャなどでは広場で集会をする習慣があり、なかなか逃げ出すことが難しいと言われていました。広場恐怖というのはここから生まれたと言われています。
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パニック発作が起こりやすい乗り物
- 電車
- バス
- 飛行機
- タクシー
- 渋滞中の車の運転中
パニック発作が起こりやすい乗り物というのは、空間が狭く個室的で、自分の意思で停止や下車が出来ない乗り物です。その為、公共の乗り物は基本的にパニック発作が起こりやすい環境と言えるでしょう。
また、電車やバスというのは、満員になるとさらに閉鎖的になり、圧迫感が増します。そうなると、不安感が増してパニック発作を助長する要因となることがあります。
パニック障害の症状!「運転中や乗り物でパニック発作を抑える対処法」
乗り物別での発作を起こさせない対処法と対策をご紹介していきたいと思います。ここでの対処法を実践して頂いてすこしでも乗り物に対する恐怖感を取り除いて頂ければ幸いです。
「電車」でパニック発作を起こさせない対処法
電車は地下鉄も含めて、生活にはなくてはならない移動手段ですよね。発作が怖くて乗ることに抵抗を感じている方もおられると思います。ここでは、電車で発作を起こしずらくさえる対処法をご紹介したいと思います。
1. 鈍行各駅停車に乗る
電車に乗っていて不安を感じるのは、長時間逃げることが出来ない閉鎖的環境であるためです。特急や急行電車は時間短縮するために、停車駅を減らして運航している為、乗車時間が長くなってしまいます。
そうすると拘束時間が長くなり不安も大きくなります。しかし、各駅停車にすることで、頻繁に駅に停車するために拘束時間が短くなります。そうすると、不安も小さくなって発作が起こりにくい環境になります。
2. グリーン車を利用する
電車の混雑時は、身動きがとれない状況になり、恐怖や不安が極度に高まります。そういった環境では発作が起こりやすくなります。
そういった場合は、グリーン車を利用することで、混雑から解放されて落ち着いた環境の中で電車に乗ることが出来ます。このような環境であれば発作も起こりにくいでしょう。
ただし、グリーン車は料金的なリスクがあります。たまの旅行で電車を利用される方であればグリーン車を利用しやすいかもしれませんが、毎日の通勤で電車を利用する人に毎回グリーン車を利用するというのは現実的ではありません。
そういった人の場合は、グリーン車両の隣にある車両に乗車するだけでもそれなりの効果が期待できます。「何かあった時でもすぐにグリーン車へ逃げ込むことができる」という思考が精神安定剤となります。
あとは、電車入り口付近にポジションをとるだけでも安心感をすこし増やしてあげることができます。
3. 通勤時などの混雑時間を避ける
前節でも述べましたが、混雑時は大きな不安や恐怖を感じる要因になります。その為、通勤ラッシュ時間の乗車を避けることで不安や恐怖を緩和することができます。1時間早起きをして1時間早い電車に乗車するだけでも混雑感はかなり違います。
4. 薬を処方してもらう
医師の診察を受けて、頓服を処方してもらうのも1つの方法です。頓服は即効性がある薬なのですぐに気持ちを落ち着かせる効果があります。ただし、頻繁に服用していると体が薬に慣れてしまい効果が薄れてくる可能性があるので、薬の乱用には注意する必要があります。行きつけの病院の先生とよく相談して、容量、用法を守って服用するようにしましょう。
また、電車やバスの中でもすぐに服薬できるように、水やお茶は常備しておきましょう。
「バス」でパニック発作を起こさせない対処法
バスも電車同様に混雑しやすい乗り物ですね。そういったバスの中でもこn発作が起きにくい対処法を紹介したいと思います。
1. 混雑時を避ける
電車同様に、混雑時を避けるために、時間をずらして乗車するとゆとりがある状態で移動することができます。または、バスがバス停に停車した際に車内を見て、混雑している場合は乗車をやめて、次の便に乗るという方法でもよいと思います。
なるべく、ゆとりがあるバスに乗ることを心がけます。そうすることで不安が解消されて発作が起こりにくくなります。
2. 座席に座る
バスには、座ることができる座席と、立って乗車するためのつり革の2種類の乗車方法があります。圧迫感という観点からは、座席に座る方がゆとりが生まれます。
つり革だと、他の乗客と接触したり接近する機会が多くなります。左右の揺れが大きい乗り物ですので、どうしても勢いで隣の人と接触してしまった、、なんてこともよくあります。
結果的に、そのことが不安や恐怖を与えて発作に繋がることも少なくありません。
しかし、これが、座席に座ることによって、座席上に空間が出来るために他人と接触する可能性が低くなります。また、地に座っているので、バランスがよく振り飛ばされる心配もありません。
空いてないのであれば仕方がありませんが、もし座席が空いている状態であれば、真っ先に座席を確保して頂きたいです。
3. 家族や友人と一緒に乗ってもらう
パニック発作は、不安や恐怖が引き金となっているので、不安や恐怖を与えないように、家族や友人と一緒に乗車してもらうことも大変有効だと思っています。隣に家族や友人がいてくれると、それだけで安心します。
「飛行機」でパニック発作を起こさせない対処法
飛行機に頻繁に乗る人は少ないかもしれませんが、飛行機内でパニック発作になった方もおられます。ここでは、飛行機内でパニック発作にならないようにする対処法をご紹介したいと思います。
1. ビジネスクラスを利用する
エコノミークラスは、お客同士の間隔が狭く圧迫感があります。その圧迫感が不安や恐怖を呼んでパニック発作になることもあります。そこで、クラスを1つあげてビジネスクラスを利用する方法が有効です。
ビジネスクラスは、お客さん同士の間隔も広くストレスも感じにくい環境となっております。また、脚も伸ばせることができるので、とてもリラックスできる環境でもあります。
コストはかかりますが、恩恵は十分にありますのでたまの旅行程度の利用であれば落ち着いた環境にするためにビジネスクラスを選ばれることをおすすめい致します。
2. 乗車したらすぐに寝る
飛行機は、1度離陸すると、しばらく閉鎖的空間になるため、フライト中は常に発作が起こる恐怖や不安と闘うことになります。そういった思いをなるべく感じさせないように、離陸後はすぐに就寝することをおすすめします。
1度寝てしまうと、寝ている間は不安や恐怖は感じなくなります。 フェリーなどの船酔いを阻止するために、すぐに寝る人と意味は同じです。寝ずらい人は、アイマスクなどを利用すると眠りが促進されると思います。
3. 頓服を服用する
専門医の診察を受けて、心を落ち着かせることができる薬を手に入れたのであれば、症状が出た時に使いましょう。また、頓服の飲み過ぎには十分に気を付けて下さい。
「車の運転中」にパニック発作を起こさせない対処法
車の乗車中にパニック発作になってしまう人も少なくありません。ここでは車に乗車する際の対処法を紹介したいと思います。
1. こまめに休憩をとる
長時間の運転は精神的な疲労を与え、不安や恐怖に変わることがあります。その為、こまめに休憩をとることで気持ちをリフレッシュさせて運転を再開させることが出来ます。高速道路であれば、パーキングエリアに頻繁によるようにしましょう。長時間いなくても数分車を止めて外に出るだけでも気持ちをリフレッシュさせることが出来ます。
2. 家族や友人に運転してもらう
車の運転に大きな不安や恐怖を感じている人であれば、自分での運転は控え家族や友人に運転してもらいましょう。少しずつ慣れてくれば同行してもらい自分で運転の練習をしてみると良いでしょう。
周りに家族や友人にお願いすることが難しい人は、タクシーを利用するとよいでしょう。
パニック障害(不安神経症)の人が乗り物に乗る際のマインド
パニック障害(不安神経症)の人が乗り物に乗る際の心構えのお話しをしたいと思います。
乗り物は基本的に箱ものであり個室です。そしてそんな自由に出入りが出来ない閉鎖的空間の中では、不安や恐怖を感じやすい環境にあります。
そして、その不安や恐怖がパニック発作へと繋がっていくのですが、、この不安と恐怖というのは自分の気持ちの持ちようで小さくも大きくも変えることが出来ます。
1度恐怖を感じてしまうと、「また、電車に乗ってしまったら発作がおこるかも、、」と予期不安や広場恐怖を感じてしまうので、どうしても恐怖や不安が先行してしまいます。
しかし、考え方を前向きに変えて、「電車に乗ったら発作が起こるかもしれないけど大丈夫!」「発作はすぐに収まるから大丈夫!」と考えていくと不安や恐怖というのは自然と小さくなっていきます。不安や恐怖が小さくなるということは、パニック発作が起こりづらくなるということです。
このように、乗り物別それぞれの対処法でもパニック発作を抑制することは可能ですが、それはその場しのぎの対処法でしかありません。
本当にパニック障害を治療したいのであれば、マインドを変える必要があります。マインドを変えて不安や恐怖を克服することが出来れば、パニック障害を克服することへと繋がります。
パニック障害の症状について知識を深めました。つづいては、パニック障害の治療法についてお伝えをしたいと思います。パニック障害の治療法は実に様々な方法があります。自分に合ったパニック障害の治療法を見つけて実践してみましょう。