パニック障害 カレッジ

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パニック障害(不安神経症)薬の「離脱症状」と「依存症状」の対処法

      2017/01/20

パニック障害の「離脱症状」とは

抗うつ剤を減薬した時に起こる様々な症状を「離脱症状」と言います

医学的な正式名は、「中断症候群」や「SSRI中断症候群」と呼ばれます。誤解されている方が多いので始めに言っておきますが、離脱症状は、覚せい剤などの薬物中毒ではなく、薬の副作用によるものです

人によっては、離脱症状のことを「シャンビリ」と言ったりしますが、これは、耳鳴りがシャンシャンと聞こえたり、手足がビリビリとしびれる症状からついた呼び名と言われています。

 

一方、

パニック障害の「依存性」とは、

を長期間にわたって、服用し続けることで、それがあたりまえの状態となり、症状が改善して、いざやめようとしても薬を飲まずにはいられなかったり、薬をやめたとたん、症状が再発してやめるにやめられない状態を言います。

依存性」は服用している薬の副作用ではなく、薬事体に依存している状態と言えます。

 

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パニック障害の代表的な「離脱症状」

パニック障害の薬の「離脱症状」でよくみられる症状は以下のとおりです。

  • 耳鳴り
  • しびれ
  • めまい
  • 発汗
  • 吐き気
  • ふるえ
  • そわそわ感

 

耳鳴り

耳鳴りが聞こえます。よく言われるのは、「シャンシャン」というような耳鳴りです。これは、本当に頭の中で、「シャンシャン」という音が聞こえてきます。自分では、消したり防ぐことが出来ません。自分の意思に反していつでも聞こえてくる可能性があります。

 

しびれ

手や足がビリビリとしびれます。正座などのしびれではありません。突然、ピリピリと電気が走るようなしびれに襲われます。すぐに治まることもありますが、人によって、数時間にわたってしびれ続けることもありますし、薬を飲むまでしびれが治まらないという人もおられます。

 

めまい

貧血のようなめまいに襲われることがあります。

 

発汗

特に、運動もしていないにもかかわらず、額や体から汗が噴き出してきます。薬を服用することで汗が引いてくる場合もあります。

 

吐き気

胸焼けのような感覚におそわれ、吐き気を感じます。吐くことは少ないですが、なかなか治まらないと、つらい離脱症状です。

 

ふるえ

寒くもないのに、突然、体が震えてきます。人によって、症状の程度に違いがあります。すぐに治まる人もおられますが、症状が長引く人もおられます。

 

そわそわ感

何をしていても落ち着きません。気持ちがそわそわした感じになります。

 

 

 

離脱症状はダントツでSSRI系が多い

抗うつ薬は大きく3つの種類に分けられます。

  • SSRI(パキシル、ジェイゾロフト、デブロメール、ルボックス、レクサプロなど)
  • SNRI(トレドミン、サインバルタなど)
  • 三環系抗うつ剤(トフラニール、アナフラニール、イミドールなど)

そして、中でも離脱症状がもっとも現れやすいのがSSRI系の抗うつ薬になります。それ以外の抗うつ薬ではほとんど症状が出ません。

SSRIは、効果が高い分、副作用の効果も高い特徴があります。その特徴が離脱症状の効果を高めていると言えます。

 

反面、SSRI系は依存性が弱いと言われています。

 

 

パニック障害の「離脱症状」はどうして起こるの?

離脱症状が起こる原因は、抗うつ薬により血中濃度が急激に低下し、自律神経のバランスが崩れた時に起こると言われています。一定期間、抗うつ薬を服用していると、それがあたりまえになっていき体が慣れていきます。

しかし、ある日突然、薬が入ってこなくなると、体がパニックを起こします。体に入ってくると思っていたものが入ってこなくなると、体と心の調整がうまくできなくなり、さまざまな自律神経症状がでてきます。

その症状が、「めまい、耳鳴り、しびれ、頭痛」などの症状となって現れます。

 

 

「離脱症状」が起こりやすい人と状況

パニック障害離脱症状が起こりやすい人がおられます。起こりやすい人の特徴と起こしやすい状況をお伝えをしたいと思います。離脱症状を起こしやすい人は以下の通りです。

  • 体の基礎代謝能力
  • 抗うつ薬の半減期の長さ
  • 抗うつ薬の強さ

 

体の基礎代謝能力の低い人

体の基礎代謝能力が低い人は離脱症状が起きやすい傾向がみられます。逆に薬の成分を素早く代謝して体に長い時間ため込まない人は離脱症状が出にくいと言われています。

代謝が低い人は、軽い運動や、半身浴、規則正しい生活、食事管理を実践するだけで、基礎代謝が上がる可能性があります。自分の生活を見直してみて、できることからやってみるのもよいでしょう。

 

抗うつ薬の半減期の長さ

抗うつ薬の半減期の長さが長ければ長いほど、離脱症状がでにくい傾向がみられます。

半減期とは、お薬の血中濃度が半分になるまでの時間をいいます。半減期はお薬の作用時間の1つの目安になる値をいい、値が短いほど、離脱症状が起きやすいと言われています。

半減期が長いとお薬が長く身体に残るため血中濃度は緩やかに変動しますが、半減期が短いとお薬がすぐに抜けてしまうということなので血中濃度は急激に変動します。

お薬の血中濃度が変動しやすいと、離脱症状も起きやすくなるのです。

 

薬別の「半減期」

抗うつ薬 半減期 抗うつ剤 半減期
SSRI(パキシル) 14時間 SNRI(サインバルタ) 11時間
SSRI(ルボックス) 9時間 三環系(トフラニール) 9~20時間
SSRI(デプロメール) 9時間 三環系(トリプタノール) 17~44時間
SSRI(ジェイゾロフト) 22時間 三環系(アナフラニール) 21時間
SSRI(レクサプロ) 25時間 三環系(ノリトレン) 18~34時間
SNRI(トレドミン) 8時間 三環系(アモキサン) 8時間

表をご覧頂いてもわかるように、SSRI系とSNRI系の半減期の時間が短いことがわかります。そういった所からもわかるように、薬の半減期が短く、離脱症状が出やすいと言えます。

また、SSRIのパキシルは、半減期が短いうえに、薬が強いと言われ、特に離脱症状が出やすいと言われています。基本的にはパキシル以外のSSRIとSNRIの離脱症状は少なく、三環系では症状はほとんどでないと言われています。

 

 

抗うつ薬の強さ

抗うつ薬の強さは、とうぜん、薬の効果が強い方が症状によく効きます。そして、前にも言いましたが、離脱症状は副作用です。つまり、薬の効果が高いということは、それにともない、副作用の効果も高くなるということにです。

効果と副作用はリンクしていることを覚えておいて下さい。

 

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パニック障害の減薬による離脱症状の対処法

減薬による離脱症状は、抗うつ剤の服用をやめた時に起こる症状です。この観点から考えた場合、

離脱症状の対処法は大きく2つ考えれます。

  1. 減薬をいったんやめる
  2. 減薬の量を減らす

 

1.減薬をいったんやめる

減薬をして強い離脱症状が出た場合、減薬をいったんやめて、しばらく様子をみて再開する方法があります。

離脱症状は、疾患が治りきっていない時に、減薬をすると発症しやすいと言われています。離脱症状が出るということは、まだ十分にセロトニンを分泌できていない可能も考えられます。

抗うつ薬でセロトニンの分泌を助け、十分なセロトニンを自力で分泌できるまで回復すれば、減薬しても症状が出にくいと言われています。

 

 

2.減薬の量を減らす

人の体は、急激な環境の変化に弱いです。そのため、急にたくさんのくすりを減薬すると自律神経の働きがみだれて、離脱症状がでやすくなります。

この場合、減薬の量を減らすことがポイントです。そして、さらに薬を段階的に減らしていくのがベストな方法です。

たとえば、

50グラムから、20グラムに減薬したら、めまいなどの離脱症状があらわれた場合、一回、40グラムに戻してみます。もし、40グラムで離脱症状がでなかったら、30グラムに減薬します。

30グラムで症状がでれば、35グラムにするといった感じで、段階的に減薬していきましょう。この方法であれば、体が慣れながら、減薬していくことができるので、離脱症状を最大限抑えながら、減薬をしていくことができます。

 

 

 SSRIパキシルの弱点を克服「SSRIパキシルCR」

SSRIパキシルは、お医者さんの中でも評価が高く、全国的に、処方される割合が高い抗うつ薬です。抗うつ薬のなかでも効果が高いことで有名なパキシルですが、半減期の時間が少なく、離脱症状が出やすいというデメリットがあります。

そこで、開発されたのが、「SSRIパキシルCR」です。

「SSRIパキシルCR」は、SSRIパキシルの改良型です

 

半減期の延長

SSRIパキシルCRは、従来のSSRIパキシルにくらべて、ゆっくりと長く効くように開発されました。そのため、半減期の時間が長くなりました。

ちなみに、パキシル10グラムの同等量が、パキシルCRでは12.5グラムになります。

 

パキシルを減薬中に離脱症状が治まらない場合に、SSRIパキシルから「SSRIパキシルCR」へ切り替えるという手もありだと思います。薬の成分は変わらずに、離脱症状の緩和に期待が出来ます。

 

 

 

Aさんのパニック障害「離脱症状体験」を紹介 離脱症状が辛かった!

私は、以前、パニック障害でパシキルとメイラックスを処方され服用していました。

すでに半年くらい飲み続けていたのですが、途中で薬がなくってしまい5日間くらい薬を飲んでいない日が続いていました。薬を貰いに行こうと思っていたのですが、その間、離脱症状が全く出なかったのです。

もしかして、もう薬飲まなくても大丈夫じゃない?と思っていましたが、その考えは甘く、7日目ぐらいに突如「ふるえとそわそわ感」に襲われて、パニック障害の離脱症状が出てきました。

その日は、我慢して過ごしていたのですが、次の日になっても一向におさまらず、新たに吐き気などの症状も出てきたため、大急ぎで行きつけの病院へ駆け込みました。

すぐに薬を処方してもらい、病院のトイレの中で服薬しました。すると、1時間くらいで症状がスッとなくなりました。

わたしは、この時に、「やっぱり、わたしには、薬がないと生きていけないんだな、、、」と感じ、うなだれました。

わたしは、この時に、はじめて、離脱症状というものを体験しましたが、想像以上につらい症状でした。

何をしてもおさまらず、辛さや、痛みに耐えるだけの時間でした。

 

今回、わたしの断薬は失敗に終わりましたが、

 

中には、見事に離脱症状を克服できた方もおられます。

 

その中の一人の実例をご紹介したいと思います。

 

その方は、

 

「抗うつ薬のパキシルを段階的に減薬していった」とのことでした。

離脱症状がでないギリギリのところまで、薬を減らしていきます。

 

そして、そこから、すこしずつ様子をみながら薬を抜いて減らしていきます。

 

しかし、減薬中はかなり大変だったようで、

無茶な断薬を始めてからわずか6日で8キロ痩せたそうです。
わたしと同様 めまいや 耳鳴り 目焦点合わず 神経超過敏状態でした。
また、眠れない日が多く、断薬開始から2ヶ月間睡眠時間1日1時間から2時間程度という過酷な環境でした。

 

 

 パキシルを飲んでいるのに「離脱症状」が出た人の実例

ここでは、パキシルを服薬しているにもかかわらず離脱症状が出てしまった人のエピソードをご紹介したいと思います。

現在、パニック障害と診断され毎日パキシルを30mgを欠かさず服用しているのですが
離脱症状(めまいやフラつきなど)が現れます。

どうして、離脱症状がでるのか考えてみました。

 

尚、パキシルは昨年の12月頃から飲み始めて離脱症状は先月の中旬辺りから急に出てきました。

個人的には、理由をこう感じました。

飲み続けて半年程経つので、体内で抗体が出来たのか?
又、病状が良くなってきている状態で1日の服用量が多すぎるのか?

 

このことを医師に聞いてみたところ、

「症状の軽減により強すぎるのかもしれませんね」と言われる

つまり、薬が効きすぎていて、離脱症状が出現しているということだ。

 

ただ、その判断は医師しかできないので、気になるようであれば、必ず医師にその状態が不安であることを言い、判断を仰いでください。
またパキシルが嫌なのであれば、他の薬に変えてもらうのもいいと思います。

 

 

抗不安薬は「依存性」が高い

SSRIは、安全で副作用、依存性が少ないため、治療効果を高めたいときには、十分な量が投与できます。

一方、

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、依存性が高いため、規則正しく服用する必要があります。

抗不安薬は2週間から1ヶ月以上の連続服用の場合は、依存のおそれがあるというデータがあります。しかし反対に、連続服用でも依存は出ないというデータも存在しています。

この違いは、おそらく体質と服用量が関係していると思われます。薬が効きやすい人や残りやすい人、体質によって副作用が出やすい人がいるように、体質によって依存になりやすい人と、なりにくい人がいます。

また、薬の服用量が多いと依存が出やすくなります

なお、個人差がありますが連続服用でも依存にならない人や副作用が出ない体質の人もいます

 

 

依存をとるか、症状の抑止をとるかは、医師しだい

抗不安薬を連続服用すれば依存性が高くなります。しかし、医師が依存性よりも発作症状の抑制の方が優先だと判断すれば、頓服ではなく、連続服用を指示するでしょう。

どちらがベストかは、その人の状態によって変わりますが、医師がベストな判断ができるように、自分の今の状態を正確に伝えることが大切です。

もし、薬が効き過ぎていたり、薬が自分に合っていない、、と感じた際は、すぐに医師へ伝えるようにしましょう。

 

 

断薬の時の注意点

SSRIは副作用が少ないのですが、飲み始めに、吐き気、眠気、めまいなどが出る場合があります。初めにこのような副作用があった人は、断薬するときにも副作用(断薬症状)が出ることが多いため、医師の指示とおりに減量していくことが重要です。

一法、ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、依存性や耐性が生じるため、短期作用性の薬は、服用中に途中で中断すると離脱症状がでることがあります。

そのような薬は、ほかの薬に変更するか、医師の指示のもとで徐々に減量していくことが大切です。

 

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