パニック障害(不安神経症)が薬で完治するまでの期間はどれくらい?
2017/01/20
パニック障害を患っておられる人の中には、
「パニック障害って、どれくらいの期間で完治するの?」
「薬はどれくらいの期間、服用すればいいの?」
と疑問に思う人もおられると思います。
ここでは、パニック障害が薬で完治するまでの目安期間をご紹介したいと思います。
パニック障害は、骨折などの外的要因が原因ではなく、内的要因の心の病気であるため、完治の期間は、人それぞれで変わります。
症状が軽い人は、早く完治しやすいですし、症状が重い人は、完治が遅いことが多いです。
パニック障害の薬物治療での完治までの期間
薬物治療の場合、おおよその治療期間は、平均で半年~3年くらいと言われています。
薬物治療は、薬による効果が高く、治療期間も短い傾向にあります。
ただし、中には、10年間にわたって治療を続けている人もおられます。そのため、人それぞれで完治期間は違うので一概に完治期間を予測することは難しいと言えます。
それでは、完治期間別の傾向や特徴を見ていきましょう。
パニック障害の薬物治療1ヶ月~3ヶ月で治る人
パニック障害の軽い発作症状だけの人であれば、服薬治療をして1ヶ月後には症状が治まる人も少なくありません。すぐに症状の改善が見られても、そのまま3ヶ月間程度は、服薬を続けられる場合が多いです。
パニック障害の薬物治療4ヶ月~1年で治る人
早いうちにパニック障害の診断を受けたけど、薬が合わなかったり、薬の調整や変更が必要になった人の場合は、1年程度かかることもあります。
パニック障害の薬物治療に1年~5年で治る人
医療機関へいったものの、正しい診断をしてもらえず、病院をたらい回しにされたりして、治療開始までに時間がかかってしまうと、このくらいの治療時間になることも少なくありません。
パニック障害の薬物治療に5年以上で治る人
5年以上かかるような人は、パニック障害と自覚していても病院へ行かずに家に引きこもるケースがあります。このような方は、なかなか治療事体受けることが難しく、完治までに10年以上かかってしまうこともあります。
このように、人によって、色々なケースが存在するので、完治の期間や時期を予測することは難しいと言えます。
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パニック障害の完治期間が長引く要因
自己判断での断薬
パニック障害の症状に対して、薬物治療は即効性が高く、有効な方法です。そのため、薬を服用して症状が改善すると、多くの人が、「もう治った」と感じてしまい、服薬を止めてしまいます。
しかし、そういった状態で薬の服用をやめた8割以上の人がパニック症状を再発しています。
これは、完治していないのに、完治したと勘違いして起こってしまう現象です。薬物治療の場合、パニック症状が治まっても、しばらく服用を続ける必要があります。
自分の判断で断薬することは絶対に避けなければなりません。かならず、医師の判断で断薬するようにしましょう。せっかく完治しかけていたのに、再発させてしまっては、また振り出しです。
パニック障害の完治期間を短くするためにも、思いこまず、冷静で正しい判断を心掛けましょう。
病院と薬の見切りが早い
よくあるのが、1ヶ月程度通院して、薬が効かなかったり、医師の指導法を試しても改善が見られないと、
「この病院、この薬はダメだ」と思い、すぐに病院を変えてしまう人です。
本来、薬を飲み始めてから、薬の効果があらわれ始めるまでに早くて2週間、遅くて2ヶ月程度かかると言われています。そのため、1ヶ月間では、効果を実感できない人もたくさんおられます。
このことを知らずに、効果が出始める前に服用をやめたり、転院する人が後をたちません。当然、通院に来なくなった患者へ対してそういったアドバイスも病院側はできません。
このような早い見切りをしてしまう人は、次の病院へ行っても同じ行動を繰り返します。そうすると、症状が治らないまま病院を多数めぐることになるので、完治するまでの期間がどんどん伸びていきます。これが負のサイクルへと繋がっていきます。
ですから、
1度病院で、薬を処方してもらった場合は、たとえ、症状が改善しなくても、最低2ヶ月間は服用と通院を続けてして下さい。2ヶ月目から徐々に症状が緩和されていく場合もあります。
薬の効果は、多種多様です。個人差も大きいので、長い目で効果を見ていきましょう。その間に、もし、効果に対して不安になったら担当医に相談しましょう。自己判断で、断薬をしたり、転院することは避けてください。
パニック障害の完治期間が長引く人の人の特徴
服薬してパニック障害の症状が比較的に治りやすい人は、服薬で発作症状が改善した後、医師に断薬や減薬を勧められた時に、発作症状が再発しないことが多いです。
逆に、症状が改善して、断薬や減薬をした時に、パニック症状が再発した場合は、治療期間が長引く人が多い傾向にあります。
ただし、断薬をして発作症状が再発したからといって、落ち込む必要はありません。
再発した場合は、薬を再度服用して発作症状を抑えた後、時間をかけて少しずつ減薬していきます。この方法だと少しずつ体から薬が抜けていくので、体も薬が少ない状態に徐々に慣れていくことが出来ます。
ほとんどの人は、この方法で断薬による発作を再発せずに克服していくことができます。
再発したからといって、すぐに悲観的になるのではなく、長い目で余裕をもって、減薬にのぞんでいきましょう。不安な心理状態やストレスは、発作を助長させる原因となるのでリラックスして治療にのぞむことも大切です。
自分の気持ちしだいで、完治の期間は短縮できる
パニック症状の治りの速さは、薬の相性もありますが、それ以上に自分の気持ちの持ちようで大きく作用されます。
「治らなかったどうしよう、、」というようなネガティブな思考でのぞんでいては、不安も大きくなり、かえって発作が起こりやすくなります。
それよりも、「だいじょうぶ!きっと良くなる!」というような気持ちで治療にのぞむ方が、薬の効きも良くなるうえ、発作も起こりにくくなります。
薬物治療とはいえ、薬に頼り過ぎるのは、あまりよくありません。あくまでも、自分の気持ちで治してやるんだ!という前向きな気持ちで治療と向き合ったほうが、よい結果にむすびつくことが多いと思います。何よりも信じることが大切です。
パニック障害は「薬物治療が一番、完治が早い」というのは間違い
よく、パニック障害を1番早く治す方法は薬物治療であると言われる方がおられますが、これは間違っています。たしかに、薬物治療は、発作症状を抑えるには1番即効性がある治療法です。
しかし、薬は、発作を抑えるだけであって、パニック障害そのものを治す効果はありません。
たとえば、腰痛の痛みを一時的に痛み止めの注射で抑えているようなものです。薬が切れれば、痛みや発作は出てきます。
薬物治療で完治の期間を短くしたいなら、「カウンセリング」は必須
前節でも述べた通り、薬だけでパニック障害を完治させることはできません。薬で症状を抑えたあとに、パニック障害事体の治療を行う必要があります。
この治療を進めるのが、病院でのカウンセリングです。パニック障害は心の病気です。心の病気は薬では治りません。自分の気持ちや考え方を変化させていくことが必要です。
そのやり方を指導、アドバイスしてくれるのが、カウンセリングです。「薬物治療」と「カウンセリング」の2つを同時進行することが、パニック障害の完治期間を短縮するコツと言えます。
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